医療とフットケア

皆様こんにちは。ウェルネスクリニック銀座beauty&sports院長の伊藤です。

私は過去に足専門のクリニックで多くの臨床経験をさせていただきました。また、フットケア学院での指導経験から、今日は「医療とフットケア」についてお話したいと思います。

当院ではフットケア、特にドイツ式フットケア「フスフレーゲ」を行っています。そのフットケアがどのようにして生まれたのか、なぜ必要なのかを紹介していきたいと思います。

フットケアの歴史からお話しします。

ヨーロッパではとても古くから靴とフットケアの歴史があります。
18世紀初頭、フランスのルイ王朝時代にハイヒールが貴族の間で大流行したことで足のトラブルが続出し、「足の治療師」が現れたとされています。ちなみにハイヒールは女性貴族だけでなく、男性貴族の間でも大流行していたそうです。
そして、フットケア、すなわちフスフレーゲが、貴族の足を美しく保つために誕生しました。

古来、靴は足を保護する目的で作られていました。しかし、文化の成熟とともに靴は、自己表現、ファッションの一つとなりました。

ハイヒールに代表されるデザイン性を重視した靴は、必ずしも足を保護してくれるものではなく、むしろ足のトラブルを引き起こす可能性が潜んでいます。

外反母趾、巻き爪、陥入爪、タコやウオノメ等…

大きめの靴は楽だからと言ってゆるい靴を履くことでタコ、ウオノメ、足や爪の変形がおこったり、軽すぎる靴を履くことで、地面からの衝撃を靴で受け止められず、脚腰を痛めるケースもあります。

つまり、大きくて軽い靴が足に良いと言うわけではないのです。

足と靴の関係から起こる足元のいろいろなトラブル…

予防のためにも靴選びは大切です。そして、足を健康な状態にリセットさせる第一歩がフットケアだと思います。

「医療としてのフットケア」が近年注目されています。

圧迫や摩擦などの繰り返しの刺激が原因のタコやウオノメは、自己流のケアで化膿してしまったりすることがあり、特に糖尿病の方は重症化しやすいので要注意です。糖尿病のある方の足のトラブルは、神経障害や血行障害により、ちょっとした小さな傷から感染が広がることもあり、最悪、壊疽に至ることがあります。

タコやウオノメに似ていて区別がつきにくいのがイボです。イボはウィルス感染が原因です。間違ったケアでかえって悪化してしまいます。

また、白癬(水虫)にも要注意です。
白癬(水虫)は近年、女性にも増えています。夏は高温多湿の気候のため、冬はブーツやタイツの着用で足が蒸れることが原因と言われています。

爪に白癬(水虫)が感染することを爪白癬(爪水虫)といい、爪が変形して、脆く崩れてしまいます。変形して、巻き爪や陥入爪になっている方もいらっしゃいます。陥入爪から爪周りが炎症や感染を起こしてしまうこともあります。

白癬(水虫)が皮膚に感染した場合は痒みがない場合があり、気がつかないで放置している方も多いようです。踵のカサカサが、実は足白癬(足水虫)だったりすることもあります。

足元のいろいろなトラブル…外反母趾、巻き爪、陥入爪、タコやウオノメ、イボなど気になる箇所がある方は、悪化させないためにも、まずは専門の医療機関で診断を仰ぎましょう。
Thank you
Misako Ito

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